――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 *** 事業環境が厳しい半導体市場で、試練に耐えられる分野がある。 炭化ケイ素を使った半導体は、電気自動車(EV)のインバーターやドライブトレインなど大量の電力変換が必要な特定用途向けには、通常のシリコンを使った半導体よりも優れている。しかも炭化ケイ素はダイヤモンドに次ぐ硬さで、扱いが難しい素材だ。コーウェンのマット・ラムゼイ氏は今年公表した詳細なリポートの中で、たった1枚のウエハー――最も一般的なサイズは直径6インチ(約15センチ)――を切り出すだけで3時間以上かかると指摘した。