観劇・遠征・お茶会などの費用を
年間200万円と想定

 宝塚三昧を楽しむための移住先として、Hさんは格安のシェアハウスを見つけたようです。家賃・生活費込みで、移住後の月間支出は約10万円とのこと。そのため、年間支出はいったん120万円(10万円×12カ月)とします。

 ただ相談文に記載はありませんでしたが、せっかく移住してまで宝塚三昧を楽しもうと考えているのですから、公演やイベントの代金にかなりの金額を割くことが想定されます。

 ちなみに、兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で最もランクの高い「SS席」の価格を見てみると、一般公演が1万2500円、新人公演が5300円です。これらに加え、東京宝塚劇場での公演や全国ツアーもあります。

 また少し調べてみたところ、私設のファンクラブに入って仲間内で衣装をそろえたり、スターを囲むお茶会やディナーショーに参加したりと、熱烈な宝塚ファンの活動は多岐にわたるようです。

 ここでは、Hさんが宝塚大劇場での観劇、地方遠征、お茶会などに高頻度で参加すると仮定し、その費用を年間で200万円とします。

 生活費が年間120万円、宝塚三昧の費用が200万円なので、1年間で使用する金額は320万円です。

 Hさんは宝塚三昧の期間を1~2年と書いていますが、移住してまで楽しむのですから2年とします。この2年間における支出の総額は640万円(320万円×2年間)です。

 Hさんは定年済みで、移住期間中は勤労収入を得ないので、上記の640万円は保有する金融資産額から取り崩します。移住前(Hさんが61歳時点)の金融資産額である5225万円から640万円を取り崩すと、4585万円が残ります。

 シェアハウスは基本的な家具・家電が備わっているので、入退去に伴って大幅な出費はないと思われますが、引っ越し代、入居時の敷金礼金、退去時のクリーニング費用なども考慮し、一応100万円の予備費も確保しておきます。

 残りの金融資産額である4585万円から予備費の100万円を差し引くと、4485万円が残ります。これが、Hさんが宝塚三昧の生活を終えた時点での全財産です。

 宝塚三昧を終えたHさんは、再び今の住まいに戻るとします。