10月のインフレ指標が発表されたのを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が異例の利上げペースを来月の会合でやや緩め、0.5ポイントの利上げ幅とする見通しが強まった。米労働省が10日発表した10月の消費者物価指数(CPI)はここ数カ月に比べ、上昇ペースが鈍化した。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前月比で0.3%上昇と、1カ月の上げ幅としては1年ぶりの小ささだった。前年同月比での伸びは6.3%と前月の6.6%から縮小した。FRBは先週、4会合連続で0.75ポイントの利上げを承認し、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を3.75~4%に引き上げている。10月のCPIデータは利上げ論議の行方を決定づけるほどではないが、金利が5%を大きく超える必要はなさそうだという点で投資家へのかすかな励ましとなった。一部当局者は、利上げ停止の前には一連のインフレ鈍化を示す指標を確認すべきだとしているが、今回のCPIはその始まりを告げる可能性がある。