ロシアでは、9月の動員令を受けてIT(情報技術)技術者の2度目の大量出国が起きている。すでにエネルギー価格の下落で苦しんでいる同国経済をさらに圧迫している。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9月、約30万人の動員令を発令。少なくとも一時的に企業や消費者は支出に慎重となり、労働者の間でも招集を回避するために出国する動きが広がった。ロシアの人材企業ベントラが9月、動員令の発令直後に実施した調査では、国内のIT労働者の25%が出国を考えていると答え、6%が今年すでに出国していたことが分かった。ロシア電子通信協会(RAEC)が夏に実施した同様の調査では、回答者の21%が移動を検討しているとした。ロシアの情報・コンピューター技術産業協会のディレクター、ニコライ・コムレフ氏によると、動員令発令後にロシアを離れたIT労働者の数は、春の出国第1波のときよりも2~3倍ほど多い。政府は技術者は動員令の対象ではないと断言したが、出国の動きは止まらなかった。