一読のすすめ

 話し方の良し悪しは、相手の受け取り方次第だ。「それでは困る」という声に応えるべく、本書では、その話し方が相手にどのような印象を与えるか、すべての項目にアンケート調査の結果を掲載している。

 たとえば「なんでもロジカルに解決しようとする」は悪印象度78%、「理屈と共感を使い分ける」は好印象度85%。「無表情でつまらなそうにする」は悪印象度73%、「大きなアクションで楽しそうにする」は好印象度78%といった具合だ。「損する話し方」と「得する話し方」の違いを感じられる、ユニークなしかけである。

 また最後の章には、得する言い換えフレーズが掲載されている。「○○させていただく」を「○○いたします」に、「だって」を「とはいえ」になど、ちょっとした言い換えで相手への印象は大きく変わる。「損する話し方」が口癖になっていないか、確認しながら読んでみよう。

評点(5点満点)

総合3.7点(革新性3.5点、明瞭性3.5点、応用性4.0点)

著者情報

五百田達成(いおた たつなり)

 心理カウンセラー。米国CCE,Inc.認定GCDFキャリアカウンセラー。
 東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て、五百田達成事務所を設立。個人カウンセリング、セミナー、講演、執筆など、多岐にわたって活躍中。専門分野は「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」「SNSと人づきあい」「ことばと伝え方」。
 サラリーマンとしての実体験と豊富なカウンセリング実績に裏打ちされた、人間関係、コミュニケーションにまつわるアドバイスが好評。
「あさイチ」(NHK)、「スッキリ」(日本テレビ)、「この差って何ですか?」(TBS)ほか、テレビ・雑誌などのメディア出演も多数。著書『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』『超雑談力』『不機嫌な妻 無関心な夫』『部下 後輩 年下との話し方』(以上、ディスカヴァー)はシリーズ100万部を超えている。
 オンラインサロン「おとなの寺子屋~文章教室~」も好評。

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