ウォール街では目下、米連邦準備制度理事会(FRB)がいつ利上げを停止するのかという観測が飛び交っている。だが議論の的である米金融政策の「ピボット」(転換)を待つよりも、投資家はまず新興国、特に中南米市場を物色する方がよさそうだ。米インフレ指標が鈍化したことで始まった今月の株価上昇局面は、失速し始めている。FRB当局者の最近の発言は、積極的な金融引き締めの終了が近いという見方に疑問を投げかけている。セントルイス地区連銀のジェームズ・ブラード総裁は先週、金利は5~7%に設定する必要があるだろうと述べた。米1年債利回りは4.8%前後で推移するが、これは低すぎるように思える。富裕国の景気後退は起きそうだが、今年を目安にするならば、だからと言って中銀関係者がインフレ率だけに注目するのをやめることはないだろう。