シリコンバレーでは失敗が受け入れられる。だが、諦めることもまた賞賛されるべきだろう。米ハイテク企業の経営陣は最近、自社の業績不振について多くを語っているが、自社の足かせとなっている壮大な計画を諦めるような発言はほとんどない。縮小はしたとしても、次の世代に向かうジャーニーをひたすら目指している、もしくは、後継者がそのジャーニーを極端な方向に進めている中で沈黙を守っているように見える。メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグ氏、ショッピファイのトビー・リュトケ氏、クラウド通信企業トゥイリオのジェフ・ローソン氏、ツイッターのジャック・ドーシー氏は、自身が創設した企業で今年行われた解雇について、何らかの形で「謝罪」を表明している。だが、「誤りがあった」とは言っても、根本的な間違いだと認めている人はほとんどいない。ザッカーバーグ氏が残念な出来事として挙げたのは、今月初め、コロナ流行下のオンライン利用の増加傾向が今後も続くという想定が間違っていることが分かり、活発な採用活動を行った後、1万1000人の人員を削減したことだった。その一方で、同氏はメタバース構築という自身の構想に何十億ドルもの資金を投じる計画を棚上げせず、付随的なプロジェクトを削減して集中度をさらに高めている。
米IT業界の現状、「諦めるが勝ち」の場合も
経営陣は業績不振や人員削減を謝罪、だが多くは壮大な計画を諦めていない
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