就活生必見!昔ながらの文系・体育会系採用から脱却、「総合商社業界」の採用動向Photo:Diamond

*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2023」の「親子で学ぶ注目業界完全ガイド」を転載したものです。

就活で欠かせない業界・企業研究。本誌では注目16業界の現状と課題、求められる人材像を分かりやすく解説していく。第2弾は、「進化する就職人気鉄板業界」として、「総合商社業界」を取り上げる。(ダイヤモンド社 ヴァーティカルメディア編集部 副編集長 小尾拓也)

「多様性」へと
人材ニーズが変化

 総合商社は好業績に沸いている。資源・エネルギービジネスに深く関わる三菱商事や三井物産はウクライナ戦争での資源価格高騰により、また生活消費分野に注力してきた伊藤忠商事はコロナ禍の巣ごもり消費などにより、2022年度も過去最高益レベルの業績を見込む。

 商社の強みは従来のトレーディング中心から、トレーディングと事業投資・事業経営の「二足のわらじ」へと、ビジネスの構造を変化させてきたことだ。

 トレーディングで培った顧客とのネットワークで新しい事業投資先を見つけ、経営人材を送り込んで企業価値を高め、さらに新しいトレーディングを始めるというサイクルの中で、事業全体に関わり大きな利益を得られる体質になっている。

 そんな彼らが求める学生像は「人物重視」の文系・体育会系から、かなり多様化している。

 現在の商社は、よりグローバルかつ中長期的にビジネスを行っている。そのため、複雑な課題を異なる組織間で調整しビジネスを広げていくための、コミュニケーション力や発想力を持つ人材が重視されるようになってきた。