現代の企業経営にとって社長に求められる役割はますます大きくなっている。では、経営トップに必須の資質や能力とは。特集『社長が選ぶ現代の名経営者』(全6回)の#2では、現役社長100人が挙げた「経営者に必須の能力」をランキング形式で紹介する。ニトリホールディングスやキリンホールディングス、大和証券グループ本社などの首脳の回答も明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)
40年前は「先見性」が1位に
松下幸之助「“予見”はできる」
1位は先見性──。「週刊ダイヤモンド」1982年1月2日号の特集『社長が選んだ現代の名経営者』の中で、「今後の経営者に求められる条件は」と問われた当時の経営者が挙げたのが、その能力だ。2位以下には決断力、健康、実行力が続いた。
一方で、「現代は不確実性の時代、誰も先見性は持てない」と語った経営者もいる。誰あろう、当時松下電器産業(現パナソニック ホールディングス)相談役だった松下幸之助である。ただし、「一つの仕事を熱心にやれば“予見”はできる」と付言している。
それから約40年後の現在、現役社長はどう考えているのだろうか。ダイヤモンド編集部は、上場企業トップに「現代の経営者に求められる能力・資質」を尋ねたところ、現役トップの100人から回答を得た。
次ページでは、現役社長100人が挙げた「経営者に必須の能力」をランキング形式で紹介する。キリンホールディングスやニトリホールディングス、大和証券グループ本社など回答内容を「掲載可」とした首脳の答えも紹介していく。