保険ラボ

持ち株会社社長に菊田徹也氏
第一生命社長に隅野俊亮氏が就任

 12月16日、第一生命ホールディングス(HD)は、2023年4月1日付けで専務執行役員の菊田徹也(きくた・てつや)氏が社長に昇格し、傘下の中核事業会社である第一生命保険の社長には、常務執行役員の隅野俊亮(すみの・としあき)氏が社長に昇格すると発表した。

 そして、17年4月からHDと第一生命の社長を兼務してきた稲垣精二社長は、それぞれ代表権のある会長に就任する。

第一生命社長交代12月16日の社長交代会見。隅野氏(左)、菊田氏(中)、稲垣社長(右) Photo by Akio Fujita

 10年に相互会社から株式会社に転じ、16年には持ち株会社体制に移行した第一生命は、海外事業やグループ会社の事業が拡大。最近では、ペット保険大手のアイペットHDに対してTOB(株式公開買い付け)を行うなど、事業ウイングはさらに広がりを見せつつある。

 それ故、次期経営体制では、持ち株会社と事業会社の社長を分離し、ツートップ体制に移行するとみられていた。つまり、今回のトップ交代は順当なものだった。

 ところが、第一生命社内からは少なからぬ驚きの声が上がった。隅野氏がHD社長ではなく、第一生命の社長に就任するという発表だったからだ。かねて次期社長の筆頭候補と目されてきた隅野氏がHD社長となり、第一生命の社長には営業畑の役員が昇格するとみられていた。

 加えて、大方の予想に反して社長交代のタイミングも早かった。今期、生命保険協会長を務める稲垣社長の任期が終わるのは23年7月。現在、大詰めを迎えている案件があるため、社長交代は協会長を退任した後だと目されていたからだ。

 これら二つのサプライズについて、次ページ以降で深読みしていこう。