2022年12月公表の23年度税制改正大綱で、生前贈与の「節税つぶし」を含む相続税・贈与税の新ルールが決まった。特に相続財産に加算される生前贈与が、亡くなる3年前から7年前へと延長されたことは、実質的な相続税の増税だ。特集『相続&生前贈与 65年ぶり大改正』の#1では、65年ぶりとなる相続・贈与のルール大改正の8大ポイントを詳報する。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)
生前贈与の節税は許さない!
65年ぶり大改正の8大ポイント
65年ぶりに生前贈与と相続のルールが変わる。
財産が多ければ多いほど税率が高くなる相続税対策の基本は、財産を減らすことだ。贈与税の年110万円の基礎控除を利用した生前贈与は、王道の節税術である。
2022年12月16日に公表された23年度の税制改正大綱。「資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築」と題した項目が設けられた。この言葉が意味するのは、生前贈与を使った相続税の節税は許さない、ということだ。
亡くなる直前に生前贈与して相続税から逃れることを避けるため、相続3年前以内の贈与については相続財産に加算して相続税を課税するルールがある。今回の改正で、加算期間が3年前から7年前へと延長されることが決まった。
今回の改正により、相続と生前贈与はいつから、どう変わるのか。ダメになる節税と、生き残る節税は何か。次ページでは、生前贈与の相続財産への加算期間7年延長など、絶対に押さえておきたい相続&生前贈与大改正の8大ポイントをまとめた。