韓国社会が北朝鮮のスパイによって経済に混乱をきたし、日米韓の連携にもひびが入る状況である。こうした中、尹錫悦政権は韓国社会への北朝鮮の影響力を排除する取り組みを強めている。文在寅政権の流れをくむ、民主党や市民団体は抵抗しているが、尹錫悦大統領の信念が今のところ勝っているようである。
北朝鮮の影響力の排除は、文在寅氏の影響力の排除につながって来よう。
文在寅政権が放棄した
北朝鮮スパイの取り締まり
文在寅政権では、北朝鮮スパイの取り締まりをほぼ放棄したため、北朝鮮のスパイが市民団体の活動に入り込んでいた。
9日付の朝鮮日報は独自取材に基づき、「『民主労総・市民団体を使って闘争せよ』…北の指令を受けていた済州のスパイ組織摘発」と題する記事を掲載、次のような内容を報じている。
韓国済州の北朝鮮のスパイ組織「ヒウッ・キヨック・ヒウッ」は、尹錫悦大統領当選直後の昨年3月29日、「韓米合同軍事演習に反対する大衆闘争を集中展開し、就任を控えた尹錫悦はもちろん米国にも強力な圧迫攻勢をかけなければならない」という内容の指令を受け取った。
また、同日「民主労総4・3統一委員会、学校非正規職労組済州支部、建設労組済州支部をはじめとする進歩運動団体を組織し、進歩政党候補を後押しする支持運動を展開せよ」という指令を受け取った。
「ヒウッ・キヨック・ヒウッ」のメンバーは組織化後5年3カ月にわたり北朝鮮の対南工作機関である文化交流局の指令を受け取って活動してきたことが判明しており、スパイ防止当局は5年以上事件を追跡し、昨年末に2度の捜索を実施したという。
スパイ防止当局は、「ヒウッ・キヨック・ヒウッ」は済州だけでなく韓国の他の地域でも結成された可能性があるとみて捜査を拡大している。