今週、確定拠出年金(401k)の運用報告書をチェックする投資家は「歓喜の歌」よりも、「Sweater Weather(セーターの季節)」か「大統領万歳」を口ずさむべきだと考えるかもしれない。米国の株価がこの数カ月に急回復した理由について、専門家は後付けの説明を繰り出すのに余念がない。インフレの鈍化、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げサイクルを終わらせるという読み、企業業績がアナリスト予想を上回っていることなどだ。恐らく読者が耳にしないだろう理由が一つある(カレンダーを読めること以外に専門知識が必要ないため)。それは季節が冬であり、米大統領選挙を来年に控えていることだ。米国株のリターン(世界株もそうだが)には長年続く二つのパターンがある。それは恐ろしく有効だが、本当はそうであってはならない法則だ。一つは「5月に売り逃げろ」という格言。もう一つは「株式市場の大統領選サイクル」だ。両者を合わせると、売買に最適のタイミングと最悪のタイミングの差はほとんど信じられないほど大きくなる。