さらに、為替交換にかかるコストがかなり割高になります。
SBI証券のホームページを見ると、トルコリラと日本円の為替手数料は片道0.25円となっています。往復では0.5円ですから、現在のトルコリラ/日本円からすると、約6.6%も手数料がかかる計算になります。
まして対面型の金融機関であれば、もっと高い手数料を取られます。
このような為替変動リスクと手数料の高さは、新興国ならではの経済や政治、社会の不安定さと流動性の低さに起因するところが大きいです。新興国通貨建て債券は、販売する証券会社等にとっては販売手数料が高く、うまみのある商品ですが、一般の個人が手を出すような商品ではありません。
買ってはいけない金融商品(2)
仕組み債
仕組み債とは、オプション取引などの金融派生商品(デリバティブ)を使い、複雑な仕組みを作ることで高い利回りを設定している債券の一種です。
債券の発行者とは別の企業の株価や日経平均株価などの株価指数、為替相場などに連動して、利率や元本、償還日が変動します。結果的に、連動する株価等によっては大幅な元本割れを起こすことがあります。
2022年は世界的に株価が大きく下がったため、大幅な元本割れとなった商品が多く、証券・金融商品あっせん相談センターには苦情も殺到しました。私のところにも某金融機関で購入した仕組み債の相談がありましたが、約80%の損、つまり元本はわずか20%程度になってしまっていました。
取引コストが非常に高く、リスクとリターンの見合わない商品であり、絶対に購入してはいけない金融商品です。