それでも買う!狂乱の市場に克つ! マンション 最強の売買&管理術#13
Photo:PIXTA, Nancy Newell/gettyimages

マンション管理の裏の裏まで精通したマンション管理士4人が、管理の実態を語る座談会の中編。特集『それでも買う!狂乱の市場に克つ! マンション 最強の売買&管理術』(全33回)の#13では、上編に引き続き、公取委検査企業が計30社にまで増えた大規模修繕工事の談合問題がテーマ。そもそもなぜ生まれたのか?原因は業者だけにあるのか?管理組合が談合を防ぐための方策はあるのか?他では聞けない赤裸々な話が飛び出した。(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

▼座談会参加者
●應田治彦(はるぶー) @haruboo0
 マンション管理士。RJC48代表。都内大規模管理組合の理事16年目。
●大浦智志 @Office_Oura
 税理士&マンション管理士。
●中村優介(黒ひつじ) @fournirnakamura
 自主管理支援のフルニール代表取締役。マンション管理士。
●覆面マンション管理士O
 謎のマンション管理士。4月26日に高円寺Pundit’でのイベントに出演。

公取委検査で全国の管理組合が阿鼻叫喚
どの業者も選べない!大規模修繕工事検討がストップ!

――大規模修繕工事談合問題でまた進展がありました。大規模修繕工事の最大手の大京穴吹建設と、三井住友建設系のSMCRなど数社に公正取引委員会の立ち入り検査が入り、検査対象社は30社を超えたとのことです。どこまで広がるのでしょうか?

大浦 「本丸」である設計監理コンサル数社にも検査が入っているとのうわさもありますね。ともあれ、管理組合側にはつらい状況ですよね。こういう報道が出た後、長谷工リフォームに大規模修繕工事を発注できる管理組合ってないだろうし、それどころかしばらくは多分どの業者も選べない。

 30社全社のリストも公開されていないし、決めた後に「実はここも黒でした」っていう報道が出てきたら、管理組合の信頼が破壊されちゃう。公取委側もどういうオチをつけるつもりかが全く見えないので、方向性が出るまではここで大丈夫だって誰も言えない。多分向こう2年くらいは、よっぽど逼迫して工事しなきゃならない組合か、ここは絶対信頼できるという業者が分かっている組合か、もう着工しちゃって止まれない組合以外は、一度全部ペンディングにして動けない状況になってしまうんじゃないかな。

はるぶー 数年前の、国土交通省による不適切コンサルタントに対しての注意喚起と同じですよね。「気を付けましょう」とかいう通達だけ出ていて、具体的な方法論は一切どこにも出ていない。今回も混乱がますます増えて、どこも選べない状態になるだけですよね。

修繕工事を行う管理組合に甚大な影響を与えている談合問題。管理組合が談合を見抜き、防止する手段はあるものなのか。管理組合はこの状況にどう対応すべきなのか。業界に精通した管理士ならではの、赤裸々な話が飛び出した。