男女格差の大きさが
世界の中でも日本は最低レベル

 2023年3月期決算から、上場企業など有価証券報告書を発行する約4000社を対象に、女性管理職比率や男性育児休業取得率といった人的資本の情報開示が義務付けられる。中でも着目すべき項目は「男女の賃金格差」だ。
 
 なぜなら、世界経済フォーラムが発表した男女格差の大きさを示す「ジェンダーギャップ指数2022」において、日本は146カ国中116位と先進国の中でも最低レベルだったからだ。日本の女性管理職比率が約1割にとどまっており、4割を超えるアメリカなどと比べて世界の中でも低いといった要因がある。

 そのため、政府も女性の経済的自立など4つの制作方針をまとめた「女性活躍・男女共同参画の重点方針2022」を公表するなど後押ししている。男女格差の是正は経営上の喫緊の課題であり、ESG投資の材料として投資家が注目しているポイントでもある。

 そんな日本でも、男女の賃金格差が小さい企業もある。就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワーク株式会社は、投稿された30歳時点の推定年収データを基に、男女間の年収差額が少なかった企業を分析してランキング化した。今回はそのランキングから、年収差額が少ない企業にはどんな特徴があるのかを、実際に働く社員の口コミ(原文ママ)を紹介しながら分析する。

*対象データは、OpenWorkに投稿された正社員による会社評価レポートのうち、一定数の年収データを持つ2184社、18万2411人。年収データは平均値ではなく、最新性、回答者数、乖離性をポイントとした独自のアルゴリズムで各企業の男女別の30歳時の推定年収を算出し、男女の差の絶対値が小さい順でランキングを作成した