本当に働きがいのある企業は?
知っておきたい「社員の本音」
2024年卒の学生の就職活動が本格化する。20年から始まったコロナ禍では、景気後退により企業の採用意欲が大きく落ち込むと見られていた。しかし、過去の就職氷河期やリーマン・ショック時に採用を抑制し、深刻な人手不足に陥った教訓から、企業の新卒採用は21年以降もおおむね底堅い状況が続いた。アフターコロナが見え始めた足もとで、採用意欲はさらに高まっている。
学生側も3月1日の「就活解禁」を前に、準備を進めている。今後は面接などで増えるであろうリアルとリモートの併用にスムーズに対応できるかが、内定獲得のための鍵となる。
そんな24年卒の就活生にとって企業・業界分析の参考になるのが、先日発表された「社員が選ぶ『働きがいのある企業』ランキング 2023』である。就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワーク株式会社が、同サイトに投稿された「社員・元社員による、働く環境に関する評価点」を集計し、社員の「働きがい」をランキング化したものだ。調査は今年で10回目となる。
「就活を頑張ったのに入社したらイメージが違った」と、入社後ギャップを感じる新入社員は多い。そのリスクを未然に防ぐために役立つのが、企業関係者によるクチコミ情報だ。世の中で「働きがいがある」と社員に思われているのはどんな企業なのか。ベスト50位にランクインした企業を分析しよう。
トップ3に輝いたのは、1位ボストン・コンサルティング・グループ、2位グーグル、3位中外製薬となった。ボストン・コンサルティング・グループは、上位に名を連ねる競合コンサルティング会社を制して首位を獲得。昨年首位のグーグルは2位となり、中外製薬は昨年に続きトップ3に入った。
ランキング上位を占める外資系企業では、セールスフォース・ジャパン(4位)、アクセンチュア(8位)、日本マイクロソフト(9位)、P&Gジャパン(10位)、SAPジャパン(11位)と、昨年までと同様にコンサルやIT企業が目立つ。
一方日本企業の上位を見ると、トップ10の常連であるリクルート(5位)を除き、クイック(7位)、電通(12位)、野村不動産(13位)、フューチャー(14位)など、昨年から比較的大きく順位を上げた企業が多い印象だ。その業種も多岐にわたっている。