オープニング時、平野氏の背後には「I・SEOUL・U」と書かれた大きな造形物があった。それにもかかわらず韓国の首都を「パク」と発言し、中国語を連発したのは明らかに故意だと言われている。また、「パク」は日本語の「パクリ」を遠回しに使ったのではないかという臆測まで飛び交っており、こうなっては収拾がつかない。
韓国についての知識があるのに平野氏のように“故意”に間違うのは「私はその国について関心がない」ことをアピールするための日本人特有のパフォーマンスだ、と韓国人は考えるそうだ。日本人は、自身の劣等感を隠して相手を無視したい欲求に駆られている、というように見えるらしい。
彼の問題発言のシーンは動画でなく、画像を抜き出して報じられていることが多い。有名メディアでVTRを使って報じたのは、筆者が確認する限り日本テレビと提携しているJTBCくらいである(2023年3月20日時点)。
今回問題となった番組が、どのような経路で韓国国内に渡ったのかは分からない。日本に居住する韓国人が見ていたか、あるいは韓国にはリアルタイムで日本の番組が見られるチューナーを設置する家庭がたくさん存在するから、それでこの番組を見ていた韓国人が平野氏の発言を不快に感じ、問題に火がついたのではないかと筆者は考えている。
韓国人の自尊心に傷をつけた日本人
あまりにも無知な平野氏の発言にも問題はある。だが、彼の発言をウケると判断し、そのまま使用した「King & Princeる。」制作側にも落ち度があったように思う。筆者は問題のシーンを見て単純に面白いと感じたが、確かに韓国人が怒るのにも納得だ。そして、韓国にいるにもかかわらず「シェイシェイ、ウオアイニー、北京ダック」と何度も中国語を出したのは、見る人によっては中国も侮辱したと感じるだろう。
日本人からしてみれば、韓国は日本よりも後に発展した国だから、韓国に初めて行って「意外と高い建物がある」と感じる人も少なくないはずだ。大昔に初めて韓国を訪れたかつての筆者もそうであった。だから、平野氏も初めて韓国に行って同じような感覚を持っただけではないだろうか。また、平野氏のように、日本人が韓国と中国を同じように見てしまう気持ちも分からなくはない。興味がなければ近い国は皆同じに見えてしまうものだ。