
食堂受託運営を手掛けていた企業「ホーユー」。2023年、夏休み明けに予告なく給食提供を中止し、全国で大きなニュースとなった。全国に事業を拡大していた老舗企業に、一体何があったのか。※本稿は、帝国データバンク情報統括部『なぜ倒産 運命の分かれ道』(講談社+α新書)の一部を抜粋・編集したものです。
息子が事業継承後に
ビジネスを全国へ拡大
事業内容 食堂受託運営
負債 約16億8000万円
2023年9月25日破産手続き開始決定
多くの学校が夏休み明けを迎えた2023年9月1日、「食堂が運営されていない」という一報が入ってきた。学校や企業における食堂・寮食運営、給食提供などを手がける株式会社ホーユーは、事前に何の連絡もなく、一部で営業を停止した。寮生活を送る学生に食事を提供できなくなった高校をはじめ、混乱は全国各地に広がり、急遽代わりの給食業者を探したり、学校側が用意したりと対応に追われた。新学期に入るタイミングでの倒産劇、いったい何があったのだろうか。
株式会社ホーユーは、1994年(平成6年)7月に飲食店の経営を目的として設立された。2000年6月に現社長の父である山浦邦弘氏が代表取締役社長に就任するとともに、商号を有限会社邦雄商事から有限会社ホーユー(2010年6月より株式会社ホーユー)へ変更した。主に広島県内や中国地方の大学、高校、官公庁、民間企業における食堂の企画・運営のほか、売店の運営や研修施設への食事提供などを主体に手がけてきた。