儲かる農業 下剋上#11Photo:Susumu Yoshioka/gettyimages

農家が、生産コストの上昇分を価格転嫁できる“売り先”はどこなのか――。特集『儲かる農業 下剋上 ピンチをチャンスに』の#11では、担い手農家アンケートの1738人の回答から、「儲かる販路」の真実に迫った。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

農協通じた販売には
農家から厳しい評価

 肥料や飼料などが高騰している。値上がりした分を農産物の販売価格に転嫁できるかどうかは農家にとって死活問題だ。そこでダイヤモンド編集部は「担い手農家アンケート」の回答者1738人に「価格転嫁できた販路」を聞き、ランキングを作成した。

 近年は、新型コロナウイルスの感染拡大で、外食需要が自宅での消費にシフトした。そうした中、例えば、レジェンド農家3位の鹿児島県のさかうえは、業務用のケールからスーパー向けのピーマンに主力商品を切り替えたことが時代のニーズにピタリとはまり、事業を成長させることに成功した(詳細は本特集の#18『ブランド野菜と和牛で売上高10億円!ケール農家が明かす業態転換で大成功できた理由』参照)。

 農家にとって、スーパーや生協といった売り先は大量の農産物を販売できるメリットがある。ただし、スーパーが価格転嫁を受け入れてくれたという回答は39人だったのに対し、13人はそれを認めてもらえなかったと答えている。

 次ページでは、「小売り」「直接販売」「協同組合、通販」などの分野ごとに、価格転嫁できた販路とできなかった販路、これから農家が出荷を増やしたいと考えている販路のランキングを大公開する。