農業に参入する手段として、第三者の事業承継やM&A(企業の合併・買収)が増えている。これまでクローズドで行われてきた売買の交渉が、ウェブサイト上の公募情報を基にできるようになりハードルが下がった。特集『儲かる農業 下剋上 ピンチをチャンスに』の#19では、多様な人材が挑戦できるようになった就農や農業の事業承継の最前線に迫った。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
33ヘクタール規模の農場が
後継者を公募する時代に!
宮城県のみずほファーミングは3月10日、ウェブ上で後継者の公募を始めた。兼業農家3人が2008年に立ち上げた同農場は、水田33ヘクタールの他、20アールのビニールハウスでキュウリなどを栽培し、黒字経営を実現している。
代表の相澤英俊氏が65歳になったことから後継者を地域外から探すことにした。地域に住み、草刈りなど地域の共同作業に参加できる人材を募集中で、農業の経験は問わない。33ヘクタール規模の農場が後継ぎを公募するのは珍しい。
次ページでは、ダイヤモンド編集部が選定する「中小キラリ農家ベスト22」(詳細は本特集の#10『「中小キラリ農家」ランキング2023【ベスト22】1位・ヒューリック出資のイチゴ農家の収益力』参照)に入った農家たちの事業承継の成功例を明らかにする。
具体的には、鴨肉の生産農場を第三者が継いだ事例や、高収益な農場の後継者をマッチングサイトで探す50代の経営者を紹介する。