ヒット商品につながるような新しく画期的な発想が出てこないのは、なぜか?それは多くの場合、固定観念と過去の成功体験にとらわれ、自由な発想が出来ないから。イノベーションを起こすカギは固定観念を捨て、「意外」なもの同士の組み合わせを見つけること。そうすれば、ヒット商品につながる画期的な発想は誰にでも可能だ。

USPを持つプロダクトとは?:差別化と独自化

 前回までは、マーケティング=売れる仕組みの3大要素「何を」「誰に」「どうやって」のそれぞれを説明しました。

 その中でも「何を」=自社プロダクト(製品とサービス)は、「ユニークな顧客価値の提案=USP」を考える、マーケティング活動の起点になる重要な項目だということもお話ししました。

 世の中にはさまざまな製品やサービスがあふれていて、自社が戦っている市場にも多くの競合が存在し、激しい競争を繰り広げています。そんな中で、ターゲット層に自社プロダクトを選んでもらうのは至難の業になります。

 したがって、各企業は競争相手と少しでも違うプロダクトを市場に投入して選んでもらえるようにしようと、苦心することになります。これを、差別化と言います。少し前の家庭用ゲーム機でいえば、ゲーム機のスペック=機能をあげ繊細な映像に対応できるようにすることがこれに当たります。

 一方で、世の中にはまだ存在しないプロダクトを市場の小さい分野に投入していくことを、独自化と言います。ゲーム機の例でいえば、本体の機能向上よりも、プレイする人たちに新しい遊び方を提供することがこちらに当たります。

 一見、差別化と独自化はあまり違わないように感じると思いますが、

 ◎差別化は、競争が激しい市場の中でプロダクトを他社より少しでもよくしようとすること
 ◎独自化は、まだ他社がやっていない市場を自ら創り先駆者になること

 と私は考えています。どちらも競合他社とは違うものを世に出すという意味では同じですが、似ているようでも違うものになります。