ジョニー・テイラー・ジュニア氏にその考えが浮かんだのは昨年初めのこと。同氏の下で働く従業員の1人が、自分のテクノロジー関連業務はどこでも行うことができると主張したのがきっかけだった。この女性従業員はバージニア州を離れたいと思っていた。同州を拠点とする職能団体「米国人材マネジメント協会」で働いていた彼女は、ノースカロライナ州でのリモート勤務を希望した。同協会の最高経営責任者(CEO)を務めるテイラー氏は「その時、ひらめいた」。この従業員を別の州で働かせる代わりに、同氏は彼女が行っていた業務をインドに委託し、その結果、同協会は人件費を約40%削減できたという。リモートワークの新たなトレンドへようこそ。新型コロナウイルスの流行下で、何百万人もの米国民が在宅で勤務し、アイダホ州ボイシ、テキサス州オースティン、アリゾナ州フェニックスなどの都市に移住した人も多かった。企業は、ビデオ会議システム「ズーム」やクラウド型データ管理サービス「ドロップボックス」といったリモートワーク用のテクノロジーのおかげで、従業員が職場から遠く離れた場所からでも生産性を維持できることを知った。
リモートワークの新トレンドは「海外委託」
米国の労働力不足と賃金上昇を受け、高技能業務を移転する企業
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