大幅な値下げが利益率に大きな影響を与えることは驚きではないはずだ。ところが、米電気自動車(EV)大手テスラの周辺ではなぜかそれが驚きになってしまう不思議な考え方があるようだ。テスラが19日発表した2023年1-3月期(第1四半期)決算で、営業利益率は11.4%と前年同期の19.2%から低下。ファクトセットによると、アナリスト予想は12.2%だった。これは、数回に及ぶ同社の積極的な値下げ後、ウォール街が最も注目した業績指標であり、株価は時間外取引で約4%下落した。テスラの利益率低下は値下げだけが原因ではない。同四半期に販売した車両台数は36%増加したものの、コストも39%増加している。事業が成長すればサプライヤーとの取引はより有利になるはずだが、この結果は原材料費の高騰を暗示している。ただ、リチウム価格の下落や、独ベルリンとテキサス州オースティンにあるテスラの新工場の生産能力が増強されつつあることを考えると、コスト圧力は今後緩和される可能性はある。