やさしい味の豆腐に癒される「46 ベーカリー」
外から一見すると何の店かわからないので、観光客が立ち寄ることはまずないであろう「46ベーカリー」。ベーカリーといってもパン屋さんではなく、伝統的な広東省スタイルの軽食を販売しており、人気商品は豆腐とちまきです。
チャイナタウンでは、日本のおぼろ豆腐のような柔らかい豆腐を「豆腐プディング」と呼び、甘いシロップをかけデザートとして食べます。甘い豆腐に抵抗がある方は、冷奴のように醤油をかけて食べてみてください。
こちらの店の豆腐はひと口食べると、大豆のよい香りが口いっぱいに広がり、新鮮でやさしい味が身体を癒します。黒糖生姜のシロップもレベルが高く、一つひとつに手抜きがありません。
「中華は油っこい」と思い込みがくつがえされ、「医食同源」ということばが思い浮かびます。アメリカのピザやハンバーガーで胃がもたれたら、胃腸を休めるためにぜひ食べたい味です。
人気商品のちまきは3種類ありました。ずっしりと重いほど、中身が詰まっています。
ちまきは注意を払って作っているのがわかる、繊細な味です。ほんのり塩味がするもち米と、チャーシューの味加減、柔らかいピーナッツが絶妙のバランス。失礼ではありますが、この地味な外観の店にこんなおいしいものがあるとは、とびっくりしました。
この小さな店はコロナ禍の折、2021年4 月までに近隣の低所得住民に7万食の食事を提供しています。
【在住者の本音コメント】
購入したもの:豆腐プディング 1個 3ドル(税込)
ちまき(豚肉、チャイニーズソーセージ、ピーナツ) 1個 3.5ドル(税込)
価格:$ 安い
実食評価:★★★★★(星5 満点)
星5の理由:素材を活かした味で、完成度が高い。味のバランスが計算されており絶品。女性スタッフの接客が感じよく、英語も堪能(チャイナタウンでは一般的にぶっきらぼうな応対が多い)。
英語名 46 Bakery
住所 46 Mott St, New York, NY 10013
エリア チャイナタウン
店内飲食スペース なし
営業時間 水~月 10:00~19:00 火曜休み
参考 グーグルレビュー
まとめ
コロナの感染率が世界で最も高かったニューヨーク市では、アジア系に対するヘイトクライムもあり、最も回復が遅かったのがチャイナタウンでした。今回ご紹介した6店の多くが一時はシャッターを下ろし、苦境を乗り越えて再開しています。ニューヨークらしい派手さもおしゃれさもありませんが、インフレのニューヨークでは庶民にありがたい安価で、誠実においしいものを提供してくれる名店ばかり。手を抜くことなく味を守っているのが感じられ、B級グルメといっても味はA級。それぞれ客の顔を見てから肉まんを蒸し、チャーシューをカットし、温かい豆腐をすくってくれました。作り置きではなく、一人ひとりの客に向き合って、おいしいものをおいしい状態で出してくれたのです。ぜひ、ニューヨークへいらしたら足を延ばしてくださいね。
なお、チャイナタウンの安価な店の支払いは、現金のみ(クレジットカード不可)が多いので、現金を用意してお出かけください。
※掲載情報は2023年4月時点の情報です。価格や商品構成などは変更になる場合がありますので、事前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
※本記事は『地球の歩き方』からの転載記事です。