しかし、勧められるままに(金融機関はリボ払いを選んでくれる方がもうかるので、こちらを勧める)「リボ払い」を設定していたとすると、はっきり言ってあなたは「マネーリテラシーが低い」。投資詐欺のカモ予備軍であることを自覚した方がいい。

 カードの支払い設定は、すぐに見直してみてほしい。

「あの時は手続きを急いでいた。だからよく考えずに、勧められるままにリボ払いをチェックした」などという言い訳は恥ずかしい。投資詐欺であったり、詐欺まで非合法ではなくても明らかに拙い投資案件に引っ掛かったりする経緯の本質は同じなのだ。十分に恥じてから、今後に気を付けることだ。

うたい文句がFXでも暗号資産でも
投資詐欺には典型的パターンがある

 投資詐欺自体は、古くからある。FX(外国為替証拠金取引)や暗号資産(俗に言う「仮想通貨」)など、新種の投資対象が現れても手口の本質は変わらない。(1)初期に期待させて、(2)まとまったお金を振り込んだら、それが返ってこなくなる、というパターンが繰り返される。

 例えば、FXの優れた自動売買のシステムがあるとされる(本当は、そのようなものが「あるはずがない」と考えるのが大人の経済常識だ)。これに従って、例えば、10万円を先方が設定したアプリ上で投資してみると、数万円の含み益が出たと表示される。この時点で、もうけに興奮する一方で、ノウハウを信じているし、紹介者に対して恩義を感じ始めていたりする。

 次に「まとまったお金を投資しましょう」と言われて、カードローンなどで資金を調達して、指定の口座(海外口座である場合が多い)にお金を振り込むと、その後、相手方との連絡がスムーズでなくなる状態が現れ、解約しようとすると音信不通になる、といったコースが一つのパターンだ。

 昨今は、マネー関係の有名人の画像を勝手に使って、投資サークルを装って会員を募るケースもあるので、気を付けたい。

 また、もう一つのタイプは、「もうかる出資話」でお金を集めるものだ。投資先は、国内であることもあれば、海外であることもあり、例えば未上場のベンチャー企業に資金を回すという設定になる。出資対象が、フィリピンのエビの養殖だったり、高級なワインだとされたり、実物に投資すると称する場合もある。