株式会社ベルク・代表取締役社長の原島一誠氏株式会社ベルク・代表取締役社長の原島一誠氏 画像提供:清談社

 ベルクは埼玉県内にとどまらず、千葉県や神奈川県などにも進出。4月に発表された2023年2月期決算では、経営利益は前年比3.0%増で3期連続増益を記録している。

 まさに快進撃を続ける同社だが、同じく埼玉県が拠点のスーパー「ヤオコー」という強力なライバルとの対決も、世間の耳目を集めている。

「たしかにメディアではヤオコーさんと当社のライバル関係が論じられた記事もありますが、ヤオコーさんを特別に意識しているわけではありません(笑)。ただ、先述の通り、埼玉県は人口が多いからこそ、2つのスーパーが同じエリアで切磋琢磨(せっさたくま)できるという側面はあります。過疎の地域ではお客様の絶対数が少ないので、複数のスーパーが競い合う状況になりにくいんです」(同)

 埼玉県という人口に恵まれた地域性と、常に競争にさらされてきた環境によって、双方が高め合う存在になっているという。

「そもそも、企業規模や歴史はヤオコーさんが格上なので、我々はあくまで挑む側。同じ戦い方をしても勝負にならないので、ベルクではZ世代をターゲットにした販促戦略で差別化を図っています。いわば飛び道具ですね」(同)