少子化により厳しい経営環境が続く学習塾業界において、ひときわ業績好調なのが中学受験を主力とする早稲田アカデミーだ。売上高は12期連続、営業利益は2期連続で過去最高を更新中だ。今年5月に示された、新たな中期経営計画でもさらなる成長をうたう。だが、その足元がすくわれかねない誤算が起きている。特集『決算書で読み解く! ニュースの裏側 2023夏』(全27回)の#26では、最新決算から見える学習塾の勝ち組に起きた誤算に迫る。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
早稲アカVS東京個別
直近決算で明暗くっきり
「売上高で15年連続の増収を目指す」。5月に開かれた大手学習塾、早稲田アカデミーの2022年度決算説明会。山本豊社長は23~25年度の新たな中期経営計画を示し、そう自信を見せた。
事実、早稲アカの業績は近年好調が続いている。企業の経営成績を示す損益計算書で、早稲アカの売上高は12期連続、営業利益、純利益は2期連続で過去最高を更新中。営業利益率は20年度の4.2%から22年度は7.8%へ急伸した。
対照的に、大手学習塾、東京個別指導学院は22年度決算で減収減益となり、予定していた23年度を初年度とする新中計の発表の延期に追い込まれている。
2社の明暗を分けた理由とは何か?次ページで明らかにするとともに、絶好調の早稲アカ決算に起きた“誤算”を見る。