米ウォルマートといえば、メーカーや農家から商品を買いたたき、安売りしているイメージがある。だが、同社の損益計算書をイトーヨーカ堂など日系スーパーと比べると、意外な“強み”が見えてきた。特集『決算書で読み解く! ニュースの裏側 2023夏』(全27回)の#25では、スーパーの生産性格差の要因に迫る。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
日系スーパーの低収益の元凶は
過剰サービスと商品開発偏重
セブン&アイ・ホールディングスが5月に開いた株主総会は紛糾した。イトーヨーカ堂の低収益なスーパー事業と好調なコンビニ事業の切り離しを求める物言う株主(アクティビスト)が、経営陣の退任を求める株主提案を行ったからだ。
株主提案は否決されたが、日米のスーパーの収益格差を見る限り、物言う株主による構造改革の要求には説得力があると言わざるを得ない。この日米格差を解消しない限り、セブン&アイとアクティビストの攻防は続くだろう。
次ページでは、日米スーパーの生産性の格差の要因を、人件費や物流の観点から徹底解明する。