決算書で読み解く! ニュースの裏側 2023夏#24Photo by Mieko Arai

海外発の金利上昇で業績が急回復したメガバンク。三菱UFJフィナンシャル・グループを例に、銀行の稼ぐ仕組みを徹底解説した。さらに同社ではROEの目標達成も射程圏内で、役員賞与も弾みそう。『決算書で読み解く! ニュースの裏側 2023夏』(全27回)の#24では、メガバンクが好決算をたたき出した理由を、主要役員のROE達成ボーナス実額リストと併せてお届けする。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

「週刊ダイヤモンド」2023年6月24日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

過去最高益並みのメガバンク
MUFG役員は特に安堵した!?

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2022年度、最高益だった前期をわずかに下回る、1兆1165億円の当期純利益をたたき出した。ROE(自己資本利益率)は前期より0.75%減の7.03%だったものの、23年度目標の7.5%は射程圏内だ。

 この好決算に、MUFGの役員は誰よりもほっとしたに違いない。同社の役員報酬は、ROEの目標達成率と強く連動するからだ。

 具体的には、株式報酬のうち中長期業績連動分の30%、役員賞与の20%。数ある定量評価項目の中で、ROE達成の比重が最も大きく、また3メガバンクの中でも最大だ。同社が、いかにROE達成に本腰を入れているかが分かる。

 そもそも、なぜメガバンクの業績は絶好調なのか。次ページでその要因を詳しく解説していく。さらに、主要役員がROE達成ボーナスとしていくらもらったのかを試算し、リストを作成した。果たして、いくらもらったのだろうか。