PayPayの最大のミスは
ユーザーへの説明不足にある

 これは、実は一般のユーザーにとっては悪い条件ではありません。

 PayPayカードを作らなければならないという面倒はあるにせよ、PayPayカードには利用額の1%分、PayPayが還元されます。一般のクレジットカードが0.5%程度の還元しかないのと比べれば、改悪ではなく条件はむしろ良化されます。

 さらにPayPayをたくさん使うと「PayPay Step」というオプションが適用されます。これによってPayPayとPayPayカードの還元率が1.5%と国内最良ランクへと引き上がります。

 要するにPayPayの側の大人の事情を理解したうえで、これから1年と4カ月かけてPayPayカードを利用者が受け入れるようにコミュニケーションし、カードを新規に作った人には莫大なポイントがもらえるなど相応のキャンペーンとしてのメリットを与えていけば、双方にとって悪い話ではないのです。

 ここを「北風と太陽」のたとえでいえば、“北風”の立場でやろうとしたのがPayPayが5月に犯した経営判断ミスだったわけです。ユーザーにはいずれその時期が来る(太陽に照らすような恩恵=相応なポイントをもらえる)ということを丁寧に丁寧に説明していくべきだと私は思います。