米電気自動車(EV)大手テスラは、ESG評価をめぐる混乱の典型例かもしれない。EVを製造しているとの理由で高スコアをつけるべきか、労働慣行の一部やオートパイロット(自動操縦)機能のリスクを考慮して低スコアにすべきか、それとも平均して中くらいにすべきか。評価会社ごとに出す答えは違っている。そこに問題点がある。環境・社会・ガバナンス(ESG)の実践方法に基づき、各企業を容易に比較する方法として、多くの投資家はESGスコアに注目する。だが今のところ、その役割を果たすには至っていない。同一企業のESGスコアが大きくばらつくことがあるのは、大抵は異なる評価手法を用いるためだ。ESGデータ自体の質や入手しやすさにも懸念がある。多くの企業がESGパフォーマンスやESG活動に関して自主的に何らかの情報を公開する一方で、そのデータは断片的で一貫性がない場合もあり、企業間の比較を困難にしている。
ESG評価なぜばらつく? 企業間の比較難しく
企業が開示するESGデータを統一すれば、品定めは容易に
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