ファイトケミカルで有名なのはにんじんのβ-カロテンやブルーベリーのアントシアニンです。近年はどんどん新しいファイトケミカルが発見されていて、1500種類を超える数が見つかっています。
抗酸化物質は脳内に速やかに移行して脳細胞の酸化を防いでくれると思われがちですが、水溶性か脂溶性か、あるいは物質の性質によっては血液脳関門を通過できないことがあります。代表的なのは脂溶性で分子量の大きいビタミンEです。脂溶性自体は血液脳関門を通過しやすいのですが、分子量が大きいので通過できないのです。
しかし最近では、血液脳関門を通れなくても関門のバリアを保護してくれることがわかってきました。ですから、脳まで届かなくてもしっかり関所を堅めてくれて門番体制を強化してくれそうです。
ですので、これからご紹介する抗酸化物質はいろいろな作用で脳にもよい影響が期待できます。
ファイトケミカルがどれだけ抗酸化力をもっているかを測る数値のひとつにDPPHラジカル消去活性があります。
緑黄色野菜を食べなさいと言われますが、ファイトケミカルが野菜の色味、渋み、辛味などだからです。下表ではモロヘイヤやブロッコリーなど緑の濃い野菜で抗酸化力が強いことがわかります。
発がんのリスクが高まる
危ない食品添加物
脳と胃にいい栄養素を紹介してきましたが、リスクも考えてみましょう。
亜硝酸塩を含むハム、ソーセージ、ベーコンは加工肉として摂取量と発がんに相関があるデータが国内外で次々と示されており、その他の保存料や増粘剤、安定剤との相互作用もあり、疫学的な裏付けや発がんのエビデンスについて調査が進められています。
WHOはハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉を1日に50g食べると大腸がんになるリスクが約18%高まると発表しています。見た目をよくするために使われる発色剤(亜硝酸Na)と胃酸が反応して発がん性のあるニトロソ化合物となり、発がん性のリスクが高まると以前から議論されています。
一時期は野菜にもある程度硝酸は含まれるので問題視されてきませんでしたが、最近では赤身肉や加工肉の摂取が大腸がんの発症リスクとなるデータが増えつつあります。韓国では食の欧米化により、加工肉がたくさん入ってきたことで大腸がんが急増したと言われています。