日本株は年初来高値に迫る
日本企業の収益増が下支え
日経平均株価は、6月に33年ぶりの高値を付けた後、一時レンジ相場となったが、ここにきて年初来の高値に迫る場面もあるなどレンジ相場を上に抜ける気配をみせている。デフレ経済からインフレ経済ヘの転換、東京証券取引所による上場企業に対する企業価値改善への対応要請などが株価を支える要因として指摘されているが、企業収益の堅調さが確認されていることも株価下支えの要因となっている。
4~6月期企業決算の多くは好業績だったが、財務省「四半期法人企業統計調査」でも企業収益の堅調な推移が確認されている。経常利益(金融・保険を除く全産業)は、22年10~12月期の前年比▲2.8%から、23年1~3月期に同+4.3%、4~6月期に同+11.6%となるなど減益から増益に転じ、増益幅が拡大している。
季節調整値でみると、22年7~9月期、10~12月期に前期比減益となったのち、23年1~3月期に前期比+7.4%、4~6月期に同+9.5%と大幅な増益を続けている。4~6月期の経常利益は、年率換算で107.5兆円と1~3月期に続き過去最高を更新している。
業種別にみると、製造業の経常利益は22年10~12月期に大幅に落ち込んだ(前期比▲23.4%)後、23年1~3月期と4~6月期に増加(それぞれ同+6.2%、同+12.5%)したが、過去最高となった22年7~9月期を下回っている。一方、非製造業は増加基調を続けており、23年1~3月期、4~6月期と2期連続で過去最高を更新した。