巨大宗教 連鎖没落#19Photo:Diamond

幸福の科学創始者の大川隆法総裁が今年3月、66歳で死去した。その長男・宏洋氏は2018年に動画投稿サイトで教団との決別を宣言し、東京・赤坂でイベントバーを経営する。バーを訪ねると、「ゴッドチャイルド」のTシャツを着た「神の子」が、亡き父の実像を語り始めた。特集『巨大宗教 連鎖没落』(全20回)の#19は、宏洋氏のインタビューをお届けする。(ダイヤモンド編集部特別取材班)

カルト宗教に「NG」出すべき
幸福の科学にとって政治とは?

――今年4月の渋谷区議会議員選挙に立候補されましたが、出馬の目的は何だったのですか。

 僕は5年前からユーチューブを通じて幸福の科学の実態や危険性を訴えてきたのですが、去年、旧統一教会の「宗教2世」問題に世の中の関心が高まったことが大きかったです。

 創価学会の宗教2世で、2022年の西東京市議会議員選挙でトップ当選した長井秀和さんの選挙を応援したこともあり、宗教2世の問題に政治家として本格的に取り組んでいこうと昨年11月に出馬を決めました。

――選挙ではカルト宗教の宗教法人格剥奪を訴えましたが、カルトとそうでない宗教の線引きは可能ですか。

 フランスでは「反セクト法」という明確な基準があり、海外布教を展開する日本の宗教団体もカルト認定されました。

 しかし日本の場合、宗教と政治がガッツリと癒着している。信者さんの家庭を破壊したり、犯罪行為や訴訟を連発したりする宗教が現実に存在しており、そういったカルト宗教に対して日本も明確にNGを出すべきです。

 本来の宗教から逸脱し、過重なお布施や献金を信者さんに強要するのであれば、宗教法人格を剥奪して税金を払わせるべきです。

――幸福の科学の信者にとって、幸福実現党や選挙はどういった存在なのでしょうか。