PL学園野球部の活動休止が話題となったPL教団が、新日本宗教団体連合会の活動を休止していることが分かった。教主不在が続く教団内部で一体何が起きているのか。特集『巨大宗教 連鎖没落』(全20回)の#13では、「教主不在」というかつてない危機に直面するPL教団の実情に迫る。(ダイヤモンド編集部特別取材班)
1950年代に大阪府富田林市に移転
“聖地”にはPL学園高校や病院も設立
PL教団は、宇宙における自然法則をつかさどる万象の根源となるものを「神」と認識し、“大元霊(みおやおおかみ)”と呼ぶ。
前身の「ひとのみち教団」は1937年に当局の弾圧で解散させられている。46年にPLとして再出発を果たした。49年に静岡県、53年に大阪府富田林市に本部を移転し、宗教都市づくりを始める。
聖地には大平和祈念塔などの宗教施設のほか、かつて数多くのプロ野球選手を輩出したPL学園高校やPL病院も設立されている。
全国各地の教会、支所、出張所には神霊が祭られていて、事あるごとにこれらの神霊を拝む。
早くから海外布教に注力している点も特徴の一つだ。57年にはブラジルのサンパウロに南米本庁、翌58年には米国のロサンゼルスに北米本庁を開設している。
年中行事では、8月1日に開催される教祖祭が特に有名で、「PL花火芸術」が行われることで知られる。
PLでは、「人生は芸術である」という教えを「真理」としている。日常生活の一つ一つに心を込めることで自分を表現する喜びに満ち溢れた生活を送ることができ、人生を芸術することになるという。
この真理に基づいて人間表現の本質を解明し、日常生活での実践を通して幸せをもたらす確かな道を示すとともに、世界平和の実現に貢献することを目的とする。
PLに入ると、月会費として一般1000円、中学生・高校生・学生は300円が必要となる。会員には、週刊の「芸生新聞」など定期刊行物が届けられる。
かつて、PL学園野球部の活動休止が話題となったPL教団。だが、教団運営は名門野球部以上に深刻だ。次ページでは、PL教団の信者数減少の実態を明らかにするとともに、「教主不在」という異常事態の実情に迫る。