新宗教界において、創価学会に次ぐ事実上のナンバー2の座にいるのが巨大教団、立正佼成会だ。言わずと知れた創価学会のライバルだが、目下、その教勢を急速に落としている。特集『巨大宗教 連鎖没落』(全20回)#11では、立正佼成会の苦境をレポートする。(ダイヤモンド編集部特別取材班)
新宗連の筆頭格でアンチ学会の旗手
過去30年で信者数が3分の1に激減
今年、創立85周年の節目を迎えた立正佼成会。パーフェクトリバティー(PL)教団(活動自粛中)や崇教真光(すうきょうまひかり)など、57教団が加盟する新日本宗教団体連合会(新宗連)の中心的存在であり、反・創価学会の筆頭格として知られる公称信者数207万人の巨大宗教だ。
だが、1993年の公称信者数は654万人。この30年で3分の1にまで信者数を激減させた。水増しが当たり前の公称信者数において、毎年、信者数の減少を公にしているのは誠実ともいえるが、なぜこれほど減っているのか。
立正佼成会について、新宗連に加盟していない他教団の幹部さえ「信仰に熱心な教団だ」と褒め、多額献金や強引な勧誘活動など宗教に絡む被害相談に携わる弁護士も「立正佼成会の名前が出ることは皆無に近い」と話す。つまり目下、問題視されている他教団と同じ理由から信者離れが起きているわけではない。
実際、会費を見ても、立正佼成会のそれはわずカ月100円。しかも機関紙・誌付きだ。もちろん、会費以外に寄付金である「喜捨金」などがあるが、会員が支払っている平均的な金額は1人当たり年間数万円ほどとみられている。
古参信者や他教団の幹部が口をそろえるのは、立正佼成会の活動と教えが「時代に取り残されている」という点だ。
なぜ、教勢が衰えているのか?次ページで、立正佼成会に特有のその理由を明らかにする。