巨大宗教 連鎖没落#12

奈良県に一大宗教都市を築いた天理教。しかし、信者数減少に歯止めがかからず、天理市への寄付金は急減。莫大な寄付に支えられてきた市の財政が傾きかねない事態に直面している。特集『巨大宗教 連鎖没落』(全20回)の#12では、“大物”政治家のお膝元でもある天理市と天理教の関係性を明らかにするとともに、「寄付金急減」の異常事態の内実に迫る。(ダイヤモンド編集部特別取材班)

天理教創始者の中山みきは今も“存命”
教祖140年祭に向けて実践に励む

 天理教では、親神(この世を創った神)の守護に感謝し、人のため、世のために自分の体・心を自発的に使う「ひのきしん」を実践する。親神への祈願「かぐらづとめ」を行うほか、親神が人間を創造した場所である「ぢば」への参拝を説く。

 教会本部はこの「ぢば」を中心として建設されており、1887年に死去した教祖の中山みきが今も存命のままこの「ぢば」にとどまって信者たちを導くとされる。信者は教会から「ぢば」に向かって人々の幸せと救いを親神に祈る。

 中山みきが現身(うつしみ)を隠した87年旧暦1月26日から140年目に当たる2026年1月26日には教祖140年祭が予定されている。教祖の親心に応える10年に1度の大切な節目と位置付けられ、年祭当日に向かう「三年千日」の間、全国の信者たちが実践に励む。

 天理教は、天理市という一大宗教都市を築き上げたが、今では苦境にあえいでいるという。次ページでは、“大物”政治家のお膝元でもある天理市と天理教の関係性を明らかにするとともに、天理教が直面する異常事態の内実に迫る。