ジリ貧マネックスにドコモから転がり込む「466億円」何に使う?不安な松本会長の選球眼マネックスグループの松本会長(左)と清明社長。2人はいつも一緒 Photo by Satoru Okada

株式売買手数料無料化に追随できず、暗号資産などネット証券以外もジリ貧だったマネックスグループにとって、ドコモが払い込むお金の使い道が問われる状況だが、不安が漂う。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

ドコモ傘下入りのメリットを
ひたすら強調したマネックス

「松本大の影響力が落ちるのではないか」「非ドコモユーザーがマネックス証券から流出するのではないか」「経営のスピード感がなくなるのではないか」──。

 10月4日に突如発表された、NTTドコモによるマネックス証券の子会社化。同日夕方に開かれた記者会見よりも、午後9時半からオンラインで開催された、マネックスグループ(G)の個人投資家向け説明会の方が、より率直な疑問がチャットで寄せられた。

 特にドコモユーザー以外の流出を懸念する質問には、マネックスGの松本大会長、清明祐子社長らが共に答えに詰まって「うーん」と黙り込んでいた。

 とはいえ、2人そろって決算発表の記者会見などに現れることの多いこのコンビは、同日の会見でも個人投資家向け説明会でも、マネックス証券のドコモ傘下入りのメリットをひたすら強調。サービス内容の継続性が維持されることだけでなく、むしろドコモが持つ携帯電話ユーザーの個人情報やITを生かしてサービスを拡大し、そのクオリティーを向上させられる可能性があると訴えた。

 ただし、インターネット証券業界関係者の間では、ドコモとマネックスGが訴えるシナジーに疑問を呈する声が多い。