近年、芸術系大学の人気が高まっているが、最高峰の東京藝術大学の合格者ランキング上位には「女子御三家」の一角が登場している。特集『わが子が成長する中高一貫校&塾』(全34回)の#31では、東京藝大の他、武蔵野美術大学や多摩美術大学(ムサタマ)などへの合格者数が多い中高一貫校をランキングして、傾向を分析した。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
総合商社で芸術系から採用して
新しい部門に配属するケースも
私立中高一貫校では、音楽、美術、家庭科、技術、体育が生徒の成長につながり生涯にわたる大事な礎になるという教育方針があり、国語、数学、社会、理科、英語と同じぐらいバランスよく学ばせる学校も少なくない。
首都圏中学受験で学校選びにおける多様化が指摘される中、偏差値や大企業への就職率にとらわれない大学選びの選択肢の一つとして、東京藝術大学、武蔵野美術大学や多摩美術大学(ムサタマ)といった、芸術系大学への進学が注目されている。
総合商社に詳しい就職活動ビジネス関係者によれば、「今までビジネスと芸術は一見関係なさそうだったが、人と違う感性を持っている人材を芸術系大学から採用して、新しい部門に配属するケースも出てきた」という。
ただし、ここで注意すべき点は、東京藝大やムサタマといった難関芸術系大学を目指すテクニックを身に付けるためには、少なくとも高校在学時から芸大・美大受験予備校に通うのが不可欠だということだ。
次ページでは、文系・理系とは異なる第三の道として芸術系大学に関心がある子どもを持つ親向けに、2021年から23年の3年間における、首都圏中高一貫校の芸術系大学合格者数をランキングした。また607校のうち、上位にランクインした中高一貫校の顔触れから、芸術系大学に進学しやすい条件を分析した。