春夏合わせた優勝数がダントツ!
プロ選手数もトップの中京大中京高

第1位 中京大中京高(愛知県) 85人+今年1人指名

 第1位は昨年4人がプロ入りしてトップに返り咲いた中京大中京高で、順調にその人数を増やしている。

 戦前から戦後にかけては中京商、昭和後半は中京高、平成以降は中京大中京高と校名は変化しつつも、常に高校球界のトップに近い位置に存在し続けている。

 甲子園での春夏合わせた優勝11回や、通算136勝などは断然の1位で、プロ入り人数でもしばらくトップを走っていたが、平成以降のプロ入りはあまり多くなく、トップの座をPL学園高に譲り渡してしまっていた。しかし、一昨年一挙に4人も指名されてPL学園高をかわして再びトップに立ち、昨年も2人が指名された。

 さらに今年も、国立の静岡大から佐藤啓介が広島の育成2巡目で指名され、1位の座は安泰。現役では鵜飼航丞(中日)、伊藤康祐(中日)、沢井廉(ヤクルト)らがOBにあたる。

 こうした多くのプロ選手を送り込んでいる学校がある一方、平成の強豪智弁和歌山高(16人)や、昭和末の強豪池田高(7人+今年1人指名)は、甲子園での活躍度に比べるとプロ入り選手が少ない。智弁和歌山高は基本的に有名進学校でもあるという事情もあるが、プロ入りするほどの能力の高い選手が少ないにもかかわらず甲子園で実績を残しているわけで、それはとりもなおさず、監督の力量の高さを示しているともいえる。

 今年のドラフトの目玉ともいわれた花巻東高の佐々木麟太郎選手は、プロ志望届を提出せずに米国の大学に進む予定。近年はこうした海外大学への進学も増えてきており、今年のドラフト会議でも複数の海外大学在籍選手の指名がうわさされていた(結局指名されなかった)。

 現在までに1人でもOBをプロに送り込んだことがある高校は全国に1700校以上。今年は昨年より多い17校から開校以来初のプロ選手が出る見込み。すでに、野球部のある高校のうち半分近くはOBにプロ入りした選手が出ており、野球部ができてまだ年数が浅い高校でなければ、母校OBにプロ選手がいる可能性は意外と高い。

※本稿では、人名表記を「新字体」に統一しています(常廣→常広など)