「朝型勤務」をはじめ、伊藤忠商事は斬新な働き方改革を進める。就活生からの人気も高い。特集『伊藤忠 三菱・三井超えの試練』の#7では、小林文彦CAO(最高総務責任者)に働き方改革の肝を聞いた。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)
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――飲み会を1次会、10時までとする110運動や朝型勤務など、独自の働き方改革が注目を集めており、それと相まってか就活生からの人気も高いです。
弊社は他社と比べて社員は少人数です。限られた人員の労働生産性を上げるため、効率的に働いて成果を出すためにはどうしたらいいのかを考え、一連の働き方改革につなげました。
言い換えれば、個々の施策はアプリケーションのようなものです。しっかりとした基本ソフトウェア(OS)がなければうまく作動しません。
このOSは創業来の弊社の理念と非常に密接な関係があります。創業者の伊藤忠兵衛は社員へ心配りをしていました。当時は珍しい牛肉を月に数回振る舞ったり、集合写真を撮ったり。当時と現在の精神性は同じだと思います。社員1人1人が大切なステークホルダーである。これは底流にあるOSです。
次ページでは、伊藤忠の小林文彦CAOに、企業の価値を高める人材活用術の秘策などを語ってもらう。