「お一人様」が8割以上のときも
予備知識は必要なし

「お一人様客歓迎」イベントにも力を入れており、8割以上が「お一人様客」の日もあるとのこと。店主が参加者全員にルール説明をしていくので、予備知識ゼロで来店しても安心だ。

 イベント以外では、来店客との会話から店のスタッフが合うゲームを選定してくれる。時間料金制のため、最初は遊ぶ時間が短めのものを案内するという。また遊ぶ相手は、店内にいる相席OKの人とマッチングしたり、店からSNSを通じてリアルタイムで呼びかけたりする仕組みだ。

 連絡ツールや業態は違えど、店のテーブルがコミュニティのハブとなって人がそこに集合する図式は、地元の喫茶店や職場の近くの居酒屋とそう変わらない。

 ちなみにヒガさん自身も、20代後半のサラリーマン時代、職場の先輩にボドゲの社会人サークルに誘われたのがきっかけという。昔からテレビゲームも好きだったが、そこで一気にボドゲにハマった。

 店で最近印象に残っているのが、ある日の初心者向けイベントでの光景という。「10代から50代のバラバラにやって来た人たちが、同じテーブルを囲んで楽しんでいる。」普段どんな仕事をしているのか、どこからやってきたのか、家族がいるのかどうかもお互いもちろん知らない。その日「初めまして」と挨拶した人たちの間に、盤や駒があるだけで、年代や立場を超えたゆるやかなつながりが生まれた瞬間だ。