ゲームユーザーとしての
‟デジタルネイティブ”世代”は?

 いわゆる「デジタルネイティブ世代」は、諸説あるがおおむね1970年代以降生まれとされており、「パソコンやスマホで日常的にインターネットを使う体験」を軸に定義・分類されている。

 しかし実際はパソコンより前に、ゲームを入り口にデジタルの世界に出合っている人が大半なのではないかと思う。例えば78年生まれの筆者が、初めて本格的にパソコンを触ったのは大学の授業がきっかけで、それは96年のことだった。しかしテレビにファミコンをつないで8ビットの世界を楽しんだのは、小学生だった86年頃。ゲームはパソコンよりも約10年も先行していたことになる。

 アーケード機や家庭用ゲーム機を通じて、90年代には対戦ゲームが隆盛。00年代には複数端末で通信し同じ世界を楽しむ「マルチプレイ」が浸透した。その後のソーシャルゲームやアプリゲームでも「画面の向こうにいる、素性を知らない誰かと一緒に遊ぶ」という体験が標準で組み込まれており、ユーザーにとってはもはや日常の一部になっている。

 個人的に筆者はデジタルネイティブというと、自分たちよりもやや下の世代、現在の20~30代を指すイメージがあったが、我々はゲームユーザーとしてすでに「デジタルネイティブ」なのかもしれない。

 逆に「アナログゲームを介した交流」については、幼い頃に家族や友人と「人生ゲーム」や「ドンジャラ」を囲んだり、学生時代の部室や合宿で麻雀やUNOをしたりした頃から、あまり更新されていない人も多いのではないだろうか。