ところでアルファードとヴェルファイアの関係を「“ライバル”として激しく闘い続けるだろう」と、発表会の場で執行役員のサイモン・ハンフリーズ氏は述べていた。氏が兄弟車ではなくライバルと表現したのは、走りの味付けが2台で明確に異なるからである。2台の個性を徹底的に際立たせたのは、歴代で初めてである。
ヴェルファイアは、旧型のモデル末期に販売比率が全体の5%を切るほどまでに落ち込んだ時期があった。新型ではアルファードと統合される予定だったという。ところが、統合の方針に社内で猛反発の声が上がる。そこで開発陣は、ヴェルファイアをアルファードとは別のキャラクターに仕立て直し存続を図った。ヤングアットハートなユーザーに向けて、「素直にカッコイイと思える意匠と、ドライビングプレッシャーを感じられる運動性能を付与した」と開発責任者の吉岡氏は説明する。
新型ヴェルファイアにはZプレミアのようなパワフルで走りに特化たグレードを設定し、ドライバーズモデルであることを明確にした。
一方で、両車のデザインの差はむしろ小さくなったように感じた。また、新旧を比べるとメッキの使用面積がだいぶ少なくなったのも意外に感じたポイントだ。
2台の違いについて説明しよう。ヴェルファイアは、足回りの専用チューニングをはじめ、19インチタイヤを標準で設定。フロントにパフォーマンスブレースを追加して、アクティブなユーザーが好む俊敏な操舵応答性と接地感を追求した。
さらにヴェルファイアには、2.4Lターボ(279ps/430Nm)が設定された。一方のアルファードは、これまでの路線を踏襲した内容に仕上がっていると思っていい。