後席は、多少のコツコツはあるが快適だ。むしろ振動の振幅が小さく、収束が早い点が好印象だった。ヴェルファイアは、乗り心地も操縦性も絶妙なさじ加減でスポーティさと乗り心地の両立が図られている。中でもZプレミアは足回りのチューニングと重量の違いによってか、よりアクティブな走りを楽しめるようになっていた。
日常ユースで心地いいハイブリッド
2.4Lターボはパワフルで伸びの良さが印象的
パワートレーンは、両車とも2.5Lハイブリッドが新型のメインである。ハイブリッドは従来型にはなかった2WDが用意されたのがポイントだ。また、アルファードにはジェントルな2.5Lのガソリン車も用意されている。
ハイブリッドはエンジンとフロントモーターの出力が従来よりも大きく向上し、システム最高出力は197psから250psに向上、ハイパワー化のメリットで、なかなか力強いながらも、ジェントルにしつけられている。チューニングしだいで、もっと瞬発力を出せそうだが、あくまでも高級サルーンにふさわしく“控えめ”にしているようだ。
エンジンの停止~再始動は意識しないとわからないほどスムーズ。市街地を主体に使うなら、出足のアクセルレスポンスがリニアで力強く、扱いやすいハイブリッドに優位性を感じる。WLTCモード燃費は16.5~17.7km/Lと経済的だ。
ヴェルファイアのZプレミアに搭載される2.4Lターボは、279ps/430Nmとハイスペックだけあって、さらに力強い。クラウンRSなどでもすでにその高い性能は何度か味わっているが、車重2トン超の重量級ミニバンとの組み合わせでもパワーは申し分なく、速さを体感できる。踏み込むと伸びやかな吹き上がりを味わえるのが、このエンジンの醍醐味だ。
それでいて、あまり唐突に強い加速Gが生じるような特性とはされていない。たとえば欧州勢のダウンサイジングターボ車が、中間加速の盛り上がり感を強調するかのようにしているのと比べると、控えめな印象を受ける。最高級ミニバンとして、加速時に頭が揺すられて同乗者に不快な思いをさせないように、との配慮があっての味付けだろう。