米シカゴ地区連銀のオースタン・グールズビー総裁は、中長期債の利回り上昇の影響を注視し、景気が来年、予想以上に鈍化しないようにする必要があるとの見方を示した。  グールズビー氏は8日のインタビューで、FRBが議論の焦点を金利の最高到達点から、金利を足元の22年ぶり高水準の近辺にどれだけの期間維持するかに移す中、このところの中長期金利の上昇がさらに重要性を帯びる可能性があると指摘。「歴史的な証拠を踏まえると、長期金利は短期金利以上に実体経済の予測可能な分野、つまり建設、投資、耐久消費財に非常に大きな影響を及ぼす」とし、「FRBは信用の引き締まりが景気に及ぼす影響と、オーバーシュート(行き過ぎ)の危険があるかどうかを考慮する必要がある」と話した。  また、失業率の急上昇を招かず、物価上昇率がFRB目標の2%への低下に向かう「黄金の道」に米国経済はとどまることができると、楽観的な見方を変えていないとした。問題はどれだけの期間にわたり金利を足元の水準に保つかだが、それは経済が外部の衝撃に見舞われるかどうかに左右されるとした。  雇用の力強い伸びがインフレを鈍化させる取り組みを阻むかどうかを「議論するのではなく、このような時期にあって、外部からの衝撃に皆で注意したい」と話した。「外部の衝撃が大きく、われわれを混乱させるような予想外のものでない限り、黄金の道の実現は可能だ」とした。  一方、FRBが利下げに焦点を移すのは時期尚早だと語った。