ライドシェア解禁で「タクシー不足」加速? 地方がたどりそうな“悲惨な末路”とはライドシェアの解禁が言われだした背景として、タクシー不足、運転手不足があり、これにコロナ後の外国人観光客の急増が拍車をかけている、とされている。では、なぜタクシー不足、運転手不足になったのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ここ最近、一般のドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶ「ライドシェア」の解禁をめぐる議論が進んでいる。だが、ライドシェアによって、本当にタクシー業界の人手不足などが解消できるのか。むしろ、公共交通網に壊滅的打撃を与える可能性が高いだろう。(政策コンサルタント 室伏謙一)

ライドシェアの解禁議論を
けん引する政治家たち

 ライドシェアとは、道路運送法の許可を受けずに、一般人、客を乗せて運転することについて無資格の素人が、自分の車で、有償で客を運ぶことであり、当然のことながら違法行為である。したがって、ライドシェアの解禁とは、裏社会ともつながるいわゆる「白タク」を、違法でないものにするということである。

 カタカナを使うことでその真の意味を分かりにくくし、同時に「シェア」という言葉を使うことでなんとなく良いイメージに仕立てようとしているように見える。なんとも巧妙なことだ。

 一方、合法で正規の、有償で客を運ぶタクシーは、道路運送法第3条第1号ハに規定する一般乗用旅客自動車運送事業(一個の契約によりロの国土交通省令で定める乗車定員未満の自動車を貸し切って旅客を運送する一般旅客自動車運送事業)であり、同法第4条に基づく許可が必要である。