世界の指導者たちが気候変動に関する会議のためドバイに集まっている。この会議ではきっと、世界の気温上昇をセ氏2度より「かなり低く」維持し、1.5度に抑えるために努力するよう求める2015年のパリ協定に沿った性急な約束が生み出されることだろう。しかし、彼らはそうしない方が賢明だ。新たな研究では、行き過ぎた気候変動対策の約束が有益であるどころか、はるかに無駄が多いことが示されているからだ。専門誌「クライメート・チェンジ・エコノミクス」の新たな特集号には、世界の気温上昇を1.5度に抑える政策やその実際的な政治的解釈、通常2050年までのネットゼロ(温室効果ガス排出の実質ゼロ)達成義務について、二つの画期的な経済分析が含まれている。温室効果ガス排出量の多い世界の国々の大半を含む130カ国余りがネットゼロ達成を義務付ける法律を可決、もしくは検討中だが、そうした政策について包括的に費用対効果を評価したものはこれまでなかった。