2022年の投資環境の変化や注目領域・プロダクトについて

「国内ユニコーン倍増」「海外進出の加速」が2022年のキーワードです。

海外投資家の国内への関心は引き続き継続することと思いますし、VCによるネットワークも点から面に変わりつつあります。こうした環境を捉えてユニコーン入りを果たすスタートアップの数は今年よりも更に増えていくでしょう。勝手な思いとしてはユニコーンを20社へと倍増させたいです。次の3〜5年をかけて国内でデカコーン数社、ユニコーン50社を超える規模になると、グローバルのスタートアップシーンにおいて日本の存在感も出てきて良いなと思います。

資金供給量の増加により、海外進出も加速すると思います。WiLは米国にも拠点がありグローバルで活躍するスタートアップの創出とその支援を1つのミッションとしています。私自身も前職の米国子会社設立などを手がけており、日本のスタートアップの海外展開には強い思いがありますが、同時に何故ここまで成功事例が少ないのかという事も長らく問うてきました。

日本の市場が大きいから海外思考にならないとも良く言われますが、それ以上に資金供給量が少なかったが故に成功しにくかったのが主な理由だと感じています。これまでの国内スタートアップの海外展開では既存プロダクトをローカライズして、数億円でのチャレンジはよく見ました。

一方で、米国投資先の海外展開タイミングをみていると、三桁億円の調達をした以降が本格的に海外進出をはじめるタイミングになっています。少なくとも数十億円を使って海外展開をやってこそ、現地のスタートアップと同じ土俵に立てますし、その環境が整ってきたこれからが私たちにとっての本番です。

なお、「海外進出」という言葉には、「Japan as No.1」だった時代への憧れと誇りも合わさって、甘美なイメージが含まれます。ある著名海外投資家からは、「日本の起業家は海外に出たがるのが不思議で、国内で十分な市場があり競合環境が少ないなら、スーパーアプリのような考え方で市場を席巻するやり方もあるのではないか」と問われて考えさせられたことがあります。それは、グローバルでの成功は誰もが願うところではあるものの、そうした甘美なイメージに惑わされず、国内横展開と海外展開の両にらみで、適切に経営判断をしていくことの重要性に改めて気付かされた問いだったので、ここでも共有させていただきます。

注目領域は「SaaS・FinTech」、「ESG・カーボンオフセット」、「Web3」、「アントレプレナーマーケットフィットしたオリジナルビジネス」です。